吉川英治　ツキノワグマ　ノーマルポリッシュ [K2-2]

ラブレスナイフスタイルの第一人者、カスタムナイフメイカーの吉川英治氏のオリジナルカスタム「ツキノワグマ」です。
ラブレススタイルのナイフ製作者、と言うよりもラブレスナイフの研究者、とでも言うべき深い造詣を持ち、それらナイフ製作を通して培った技術と知識を、敢えてラブレススタイルではなく、そのスタイルから離れた形で表現した、いわば「集大成」に向けて動き出した、とも言えるシリーズ。
シリーズ、と表したのはこのモデルが各サイズごとに趣向を変えて、フィンガーグルーブどのハンドルや、インプルーブドハンドルなど、様々な様式を持つ一連の作品群だから・・・です。その中で最小のモデルがこのモデル名「ツキノワグマ」。

一見シンプルながら複雑な凹凸を持つハンドルは、ピッタリ手に吸い付くようなライン。
用いたハンドル材は「バーブドワイヤーマイカルタ」で、独特の模様と色合いが面白いです。

武生特殊鋼材の粉末鋼スーパーゴールド2（SPG2）の性能に惚れ込み、様々なグラインドスタイルで試作を繰り返しました。
刃を薄く削り上げるハロゥ（ホロー）グラインドでも充分強度が出るのを確認した上で、蛤刃のフックラしたブレイドにもトライ。食い込みと刃の丈夫さを併せ持つスタイルへと改良を重ねてきました。

吉川氏曰く、通常ならミラーポリッシュで仕上げますが、耐蝕性も高い鋼材なので、一般的な使用ならこの程度の磨き上げ（番手で言えば600番相当・・・便宜上「ノーマルポリッシュ」と呼称します）で仕上げました、とのこと。